鶏卵・牛乳・小麦・大豆・魚・甲殻類・ナッツ類 などなど・・・ 原材料に表示があってもタンパク質量が0g(ゼロ)の場合は摂取可能?最大で含まれる可能性がある量は

ピヨ

この疑問について、twitter@Allergy899369に質問がありました。

アレルゲン別に紹介します。

twitterへの質問
タンパク質が0gの商品はアレルギー表示で乳成分使用とあってもアレルギーはひきおこさないのでしょうか?
例えば明治のオフスタイルというマーガリンがあるのですがアレルギー物質は乳成分となっていて、原材料で香料(乳由来)がありタンパク質は0gなのです。

こんな質問がありました。

「コンタミレベルでは含まれているでしょうから、食べれるかどうかはそのお子様次第になってしまう」

という回答になってしまいましたが、もう少し詳しく調べてみました。

ピヨ2

鶏卵・牛乳に限らず、アレルゲンはタンパク質に含まれます。
そのためタンパク質が含まれていなければ、アレルゲンは含まれていません。
ですが、この場合は完全に「0g」ではない可能性があります。

明治オフスタイル2品種
明治オフスタイル2品種
オフスタイルについて
原材料に乳由来の香料が含まれ、タンパク質量は「0g」との表示があります。

オフスタイルの原材料名
食物繊維(イヌリン)、食用植物油脂、食用精製加工油脂、食塩/乳化剤、
香料(乳由来)、着色料(β-カロテン)

オフスタイルの栄養成分表示
食パン1枚の標準使用量(10g)当たり
たんぱく質 : 0g
(株)明治オフスタイル

ピヨ2

微量でも乳由来のタンパク質は含まれていると思われますね。
では、「0g」と表示が可能な決まりについてどのようになっているのかを調べてみました。

ちなみに、このオフスタイルのマーガリンについて(株)明治に問い合わせてみましたが、正確な量はお答えできないとのことでした。

香料なので極微量だそうです。

0gと表示ができる食品表示のルール 食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドラインより

ピヨ

記載場所を探すにも一苦労なので抜粋・引用しますが、引用元のリンクを初めに載せておきます

消費者庁の、「食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン」「食品表示基準(0gと表示できる量について)」などは以下のリンクから関連するPDFファイルを閲覧できます。

消費者庁 食品表示法等
(法令及び一元化情報)の一覧ページ

「ガイドライン最新版 平成30年5月」のPDFファイルを直接ダウンロードするにはこちら↓
食品表示法に基づく栄養成分表示のための
ガイドライン第2版(平成30年5月)

0gと表示できる基準についてのPDFファイルを直接ダウンロードするにはこちら↓
食品表示基準 内閣府令 本則・附則

食品表示基準 別表第9~別表第21

 

ピヨ

重要個所を抜粋、引用します

「食品表示法に基づく栄養成分表示のための
ガイドライン第2版 PDF」より

0と表示することができる量
食品表示基準別表第9第5欄に掲げる「0と表示することができる量」未満の場合、栄養成分表示の表示値を「0」とすることも可能です。栄養成分表示枠内の表示値を「0」と表示するだけでは栄養強調表示となりませんので、合理的な推定により得られた一定の値での表示も可能ですが、国や地方公共団体が行う検査等において、食品表示基準別表第9第3欄に掲げる方法で得られた値が「0と表示することができる量」以上であった場合、食品表示基準違反となります。
なお、「0」と表示することができる量未満であった場合に、必ず「0」と表示しなければならないということではありません。消費者庁

内閣府令 本則・附則

同表の第三欄に掲げる方法によって得られた当該食品百グラム当たりの当該栄養成分の量又は熱量(清涼飲料水その他の一般に飲用に供する液状の食品にあっては、当該食品百ミリリットル当たりの当該栄養成分の量又は熱量)が同表の第五欄に掲げる量に満たない場合は、〇と表示することができる消費者庁

「食品表示基準別表第9~別表第21  PDF」より

消費者庁のPDFが見づらいので東京都福祉保健局より。書いてあることは同じです。

 

食品表示基準別表第9~別表第21
別表第9(東京都福祉保健局)
蛋白質タンパクシツ「0」と表示可能な量
製品重量100gあたり0.5g未満
ピヨ

では、タンパク質0.5gってアレルゲンとなる食品でどのくらいの量になる??

全卵・牛乳・小麦・大豆の量に換算しました。

タンパク質0.5gはアレルギーとなる食品にするとどれくらい?

アレルギーとなる食品にはタンパク質が数種類含まれていますが、加工食品に含まれるタンパク質はそれぞれ異なる可能性があるため、参考程度として下さい。

例えばですが、牛乳の場合「カゼイン約80%」、「β-ラクトグロブリン約10%」のタンパク質が含まれていますが、加工食品ではどのタンパク質がどれだけ含まれているかは分かりません。(アレルギー患者も加工食品について医師からそこまでは指導されていないことがほとんどだと思います)

文部科学省の食品データベースとWikipediaを基に計算しています。

アレルギーとなる
食品
100gあたりの
蛋白質タンパクシツ
タンパク質が0.5g
あたりのアレルギー食品量
←許容差の範囲
(±20%)
鶏卵 12.6g 3.97g 3.17~4.76g
牛乳 3.3g 15.15g 12.12~18.18g
大豆 34g 1.47g 1.18~1.76g
小麦 10.33g 4.84g 3.87~5.81g

タンパク質量「0g」と表示があるが原材料には含まていれる場合、100g中に最大でこれだけの量が含まれている可能性があります。

含まれる可能性がある最大値ですので、実際には10分の1とか、100分の1の場合も有ります。

まとめ

食品100g中の蛋白質タンパクシツ「0g」表示時最大含有量

  • 鶏卵:3.97g (許容差混み 4.76g)
  • 牛乳:15.45g (許容差混み 18.18g)
  • 大豆:1.47g (許容差混み 1.76g)
  • 小麦:4.84g (許容差混み 5.81g)

これは製品重量に対してではなく、100g中の含有量なので注意して下さい。

仮に製品10gを摂取した場合はこの10分の1の量が最大で含まれる可能性がある量となります。

 

(株)明治のオフスタイルですが、食パン1枚の標準使用量(10g)当たりで、最大「1.545g(許容範囲を考えると1.854g)」の牛乳が含まれる可能性があることになります。

可能性なので実際には0.15gとか、0.015gかもしれません。

そこは(株)明治に問い合わせても「香料としてなので極少量。100g中0.5gよりはかなり少ないと思われる」というような回答しかもらえませんでした。

 

牛乳に関しては多いように感じてしまいますが、実際に含まれているのはさらに極少量の場合が多いように思います。

もちろん安全をみて、慎重にお試し下さい。

お礼をする鶏とひよこ