目次
卵殻焼成カルシウムと未焼成カルシウムの違いや、卵アレルギーとの関係について
結論からすると、鶏卵アレルギーでもほとんどのお子様が「卵殻カルシウム」を除去せずに摂取しても大丈夫です。
鶏肉も除去している場合や、コンタミネーションでもアナフィラキシーを起こすくらい重症の場合は、「未焼成」の物だけ除去した方が良いと思います。
詳しい内容は続きを読んで下さい。
コンタミネーションとは?
食品を製造する際に機械や器具などからアレルゲンが意図せずに混入することです。
実際には食品業界以外でも良く使われている言葉ですね。
原材料表示欄でよく見かける、「この製品は同じ製造ラインで卵を含む製品を製造しています。」
などと記載されているのをよく見ますが、これが『コンタミ有』となります。
卵殻カルシウムとは、卵の殻を砕いて粉末状に加工したもの
そのまま名前の通り、『卵の殻』ですね。
加工食品の原材料名に書かれているのを良く見かけます。
2種類あります。
- 『卵殻焼成カルシウム』
- 『卵殻未焼成カルシウム』
加熱されているかされていないかでこのように表示が異なります。
卵殻焼成カルシウムと卵殻未焼成カルシウムの違い
高温処理 | 卵タンパク | 原材料表記
の義務 |
|
---|---|---|---|
卵殻焼成カルシウム | 有り | なし | 無し |
卵殻未焼成カルシウム | 無し | ・極微量
・無視できるレベル ・焼成と同レベル |
有り |
卵殻カルシウムのアレルゲン表示について
原材料項目に「卵殻Ca」と表記されることも。
「卵殻焼成カルシウム」、「卵殻未焼成カルシウム」はどちらも卵の殻からつくられるものです。「卵」は食品衛生法のアレルギー表示として表示義務のある食品ですが、「卵殻未焼成カルシウム」はたんぱく質が残留しているため、アレルギー表示として「卵」の表示が必要です。「卵殻焼成カルシウム」はたんぱく質が残留していないため、食品衛生法のアレルギー表示としての「卵」の表示は不要とされています。なお、「卵殻未焼成カルシウム」は原料として表示されていれば、名称に「卵」の文字が入っていますので、アレルギー表示の「卵」の表示をしたことになります。また、原材料として「卵殻焼成カルシウム」、あるいは「卵殻未焼成カルシウム」を使用していて原材料名としての表示が省略されている場合は、「卵殻未焼成カルシウム」はアレルギー表示として「卵を含む」旨の表示が必要ですが、「卵殻焼成カルシウム」はアレルギー表示として「卵を含む」旨の表示の必要はありません。
卵殻未焼成カルシウムは食べれる?
卵殻焼成カルシウムについて
卵タンパクの残留がないため除去の必要がなく、原材料の表示がなくても含まれている食品があります。
卵殻未焼成カルシウムについて
日本アレルギー学会のホームページや、研究者などの論文を見ても、卵アレルギーを持つ患者にアレルギー反応が出なかったことが証明されてるようです。
複数の論文がありますが、インターネットで無料で一部閲覧できる物から引用しました。
(独)国立病院機構相模原病院小児科:(独)国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部 海老澤 元宏氏の論文
SDS-PAGE, ウエスタンブロット法およびinhibition ELISA法により, 未焼成カルシウムの卵としてのアレルゲン性は焼成カルシウムと同等であることが確認された. また, sandwich ELISA法でも未焼成カルシウムのアレルゲン性は低いことが確認された. さらに, 卵白に対し強い即時型反応を認めた鶏卵アレルギー児への卵殻未焼成カルシウムによる経口負荷試験においても6例すべて陰性であった. 【結語】卵殻未焼成カルシウムは卵のアレルゲンの混入がほとんど認められず, また, 卵としてのアレルゲン性も低いことから, そのアレルゲン性を過度に危惧する必要はないものと考えられた.
AJINOMOTO商品情報ページより引用
スポンサーリンク学会法度昭和大学医学部 小児科 講師・医学博士 今井孝成(いまいたかのり)氏 の取材より
「卵殻カルシウム」は卵の殻を加工したもので、焼成・未焼成ともに卵たんぱくの残存は無視できる程度ですので、除去は基本的に不要です。卵に対して食物アレルギーがあったとしても食べることができます。食べられないものだと誤解しないようにしていただきたいと思います。
結論として食べても大丈夫!
『卵殻焼成カルシウム』は無視して大丈夫です。
卵の表示義務すらありません。
『卵殻未焼成カルシウム』も極微量のため、ほとんどのお子様が無視して大丈夫のようです。
卵殻カルシウムを摂取してアレルギー症状を起こしたという記事は見つかりませんでした。
私の友人のお子様も鶏卵アレルギークラス5ですが、除去していないそうです。
初めに説明されてる場合も多いと思いますが、まずは担当の医師に相談してから食べる方が良いかもしれませんね。
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