粉末乾燥卵(卵粉)を液卵に戻した(換算した)時の重量はどれくらいか

液卵と乾燥卵の違いについて

鶏卵アレルギーの子供のために、乾燥卵の重量について考えてみました

完全に食事制限が解除になれば気にしなくて良いのですが、限られた量で制限解除になった場合、含有量を気にしなくてはなりません。

食品の原材料に使用されている卵には、

  • 卵白→「乾燥卵白(卵白粉.粉末卵白)」
  • 卵黄→「乾燥卵黄(卵黄粉,粉末卵白)」

などと記載がありますが、

乾燥卵白(卵白粉)1gと、卵白1gでは実際に摂取するアレルゲンの量がだいぶ違うはず

と思いどれくらい違うのか調べてみました。

乾燥卵(粉)の製造方法

乾燥卵の製造方法には「噴霧乾燥(スプレードライ)」、「凍結乾燥(フリーズドライ)」、「浅盤乾燥」の3つの方法があります。

噴霧乾燥(スプレードライ)」は高圧ノズルから液卵を熱風(140~180℃)中に微細な霧状にして吹き出し、液卵を粉末状に乾燥させるもので、工業的に最も多く用いられています。

マヨネーズドレッシングのキユーピー株式会社で製造・販売されていますが、こちらでの製造方法も「噴霧乾燥(スプレードライ)」です。

キユーピー株式会社に問い合わせ

ーピー株式会社ではなく、正しくはキーピー株式会社のようですね。

ホームページを見るまで知りませんでした。

キユーピーの乾燥卵製品のページはこちら。

Amazonや楽天で購入できます。



お菓子作りをする方は購入したことがあるかもしれません。

キユーピーからの回答

「乾燥卵は液卵に換算するとどれくらいの量になる?」とキューピーに問い合わせてみました。

「1:◯(下記)で水に溶かすと液卵と同等の量になりますが、アレルゲンの量が同じかどうかは回答できません」

ということです。

アレルゲンの量は製造時の加熱によりかなり変わるし、含有量としてはだいたいこれで参考になりそうです。

ですが全てにおいてではありませんので、注意はした方が良いと思います。

キユーピーからの回答による液卵に戻す時の比率

乾燥卵(全卵粉)を液全卵に戻す時の比率

キユーピー株式会社からの回答です。

乾燥全卵 1 : 水 3

で、元の液全卵と同等になるそうです。

乾燥全卵を液全卵に戻した時の重量に換算するには、粉の重量に「4倍」します。

乾燥卵白(卵白粉)を液卵白に戻す時の比率

キユーピー株式会社からの回答です。

元の液卵と同等に戻すには、

乾燥卵白 1 : 水 7

で、元の液卵白と同等になるそうです。

乾燥卵白(粉末卵白)を液卵白に戻した量に換算するには、粉の重量に「8倍」します。

 

さらに、卵白の量を全卵に換算するときは1.5倍するため、

乾燥卵白(粉末卵白)を全卵に戻した量に換算するには、粉の重量に「12倍」します。

乾燥卵黄(卵黄粉)を液卵黄に戻す時の比率

キユーピー株式会社からの回答です。

乾燥卵黄 1 : 水 1.25

で、元の液卵黄と同等になるそうです。

液卵黄に戻した量に換算するには、粉の重量に「2.25倍」します。

液卵中の水分はどれくらいあるかを考えて出した値

こちらの「加工としての卵」(PDF)の記事によると、鶏卵中に含まれている水分は、全卵に約75%、卵白に88%、卵黄に51%だそうです。

ウィキペディアの加工卵ページでは全卵に約76%、卵白に約88%、卵黄に約48%と書いてあり、ほぼ同じ値でした。

乾燥卵(粉)は単純にこの水分を飛ばしたものと考えると計算できそうです。

ウィキペディアの「全卵に76%、卵白に約88%、卵黄に約48%」で計算

液卵全体重量 水分 固形分(粉末) 液卵に戻すには キユーピーからの回答値
乾燥全卵粉 100% 76% 24% 4.17倍 4倍
乾燥卵白粉 100% 88% 12% 8.33倍 8倍
乾燥卵黄粉 100% 48% 52% 1.923倍 2.25倍

先に書いたキユーピー(株)から教えて頂いた値とだいたい近い値になりました。

洋菓子やパン、練り製品など、主に乾燥卵白(卵白粉)を使った製品が良くありますが、

卵白粉の重量に8倍した液卵白が含まれていると考えておこうと思います。

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まとめ

乾燥卵白・粉末卵白を全卵に換算したい場合が多いと思います。

乾燥卵白粉(粉末卵白)を液卵白に換算 「粉の重量×8」。

乾燥卵白粉(粉末卵白)を全卵に換算 「粉の重量×12」。

 

鶏卵アレルギーの場合、卵黄ではなく卵白アレルギーの子供がほとんどです。

仮に、卵白が8g含まれた食品を食べたとすると、全卵で12g分の卵白を食べたことになってしまいます。

これは12gの全卵中には8gの卵白が含まれているという考え方です。

卵白量をそのまま全卵の量として考えると全く違った量になってしまうので注意して下さい。

この計算についてはこちらの記事でも紹介しています。